Facebookは空からネットで世界をつなげるWi-Fiドローン「Aquila(アキラ)」の独自開発を中止

2018年06月27日 10時21分
インターネットが届いていない世界のあらゆる場所でも通信を可能にすべく、太陽光で長時間にわたって空を飛ぶネット基地局となるWi-Fiドローン「Aquila(アキラ)」の開発を進めていたFacebookが、その独自開発を中止することを発表しました。

AquilaはFacebookが2014年から開発を進めてきたWi-Fiドローン。翼に敷き詰められた太陽光パネルで電力を作り、自律飛行で空を飛びながら、地上の基地局から受け取った通信電波を中継して世界中にインターネット環境を届けることを目指すものでした。

機体はカーボンファイバー製で、翼端長は約42メートル。機体重量は約400kgとなっていますが、搭載された4基のプロペラを回して飛ぶための電力消費量はわずか2キロワット。これは、一般家庭で使われるヘアドライヤー2〜3台分しか電力を使わないことを意味します。

Facebookは2016年6月末、Aquilaの初フライトに成功していました。その時の様子は、Facebookが公開している以下のムービーで見ることができます。

「High Altitude Platform Station System(成層圏プラットフォームシステム/HAPSシステム)」であるAquilaは、以下の図のように地上の基地局から受け取った電波を中継して広い範囲にネット環境を提供。人工衛星よりも少ないコストで広い範囲にネットを提供できると期待されていました。

FacebookはAquilaの自社開発を進めてきましたが、実際には多くの課題に直面した模様。当初はFacebookGoogleといったIT大手が開発を進めてきたWi-Fiドローンでしたが、その後は航空企業などがこの分野に参入してきました。そして日本時間の6月27日、Facebookは自社での開発からヨーロッパの航空大手「エアバス」やその他関連企業との共同開発の道へとシフトすることを発表しました。

Facebookは、2019年10月から11月にかけて開催されるWorld Radiocommunication Conference 2019(世界無線通信会議)で新たなHAPSシステムの概要を発表することを目指しているとのことです。

動画はURL先で
http://i.gzn.jp/img/2018/06/27/facebook-shutter-aquila/00_m.jpg
http://i.gzn.jp/img/2018/06/27/facebook-shutter-aquila/03_m.jpg
http://i.gzn.jp/img/2016/07/22/facebook-aquila-first-flight/04_m.jpg
http://gigazine.net/news/20180627-facebook-shutter-aquila/