川賞候補作「美しい顔」、参考文献を明記せず掲載 講談社謝罪へ・・・今年の群像新人文学賞受賞作で著者のデビュー作

 7月に選考会が行われる第159回芥川賞の候補になっている作家の北条裕子さん(32)の小説「美しい顔」をめぐり、執筆時に使用したノンフィクション作品を参考文献として明示しないまま雑誌に掲載されていたことが29日、分かった。発行元の講談社は7月6日発売の文芸誌「群像」8月号で謝罪文を掲載する。「美しい顔」は津波の被災地を被災者の少女の視点で描く作品で、今年の群像新人文学賞を受賞した北条さんのデビュー作。「群像」6月号に掲載された。

 講談社によると、執筆に際し、ノンフィクション作家の石井光太さんの「遺体」(新潮社)や、東北学院大の金菱清教授が編者となって被災者らの手記をまとめた「3・11 慟哭の記録」(新曜社)を参考にし、遺体安置所の描写などで類似した表現があったという。東京都在住の北条さんは、震災の被災地に行ったことはないと説明していた。

https://www.sankei.com/smp/life/news/180629/lif1806290021-s1.html