世界自然遺産の小笠原諸島、島で独自の進化を遂げた固有のカタツムリを人工繁殖へ

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180629/k10011500901000.html

東京・小笠原諸島世界自然遺産に登録されて29日で7年です。登録の理由の1つになった
貴重なカタツムリが絶滅の危機にあることから、環境省などは、カタツムリを人工的に繁殖させ、
自然に帰す計画を進めることにしています。

東京の本土から南におよそ1000キロ離れた小笠原諸島は、世界でも貴重な固有の動植物が
生息していることが評価されて平成23年世界自然遺産に登録され、29日でちょうど7年となりました。

貴重な動植物のうち、小笠原で独自の進化を遂げたカタツムリの一種のカタマイマイなどは、
世界遺産登録の理由の1つになりましたが、外来生物プラナリアなどによって絶滅の危機にさらされています。

このため、環境省は、カタマイマイなどの個体数を増やすため平成22年から飼育をはじめ、
去年オープンした環境省の施設、小笠原世界遺産センターで人工繁殖に取り組んでいます。

これまでに、繁殖のための生育環境づくりや適切な餌やりの方法など人工繁殖の手法の確立に
成功したということで、今後、施設で繁殖させた個体を外敵の少ない父島周辺の島で自然に帰す
計画を進めることにしています。

小笠原世界遺産センターで取り組みを進めている環境省小笠原自然保護官事務所の黒江隆太保全専門官は
「同じカタマイマイの中でも特に数が減っている種類について個体数を増やし、野外に帰していきたい」と話しています。